家庭での子育てに参考になりそうな視点を、トピック形式で紹介していくコーナーです。


お子さんへの関わり方、あるいは自分自身を見つめ直すヒントになれば幸いです。 





・・・「こういうことについてヒントが欲しい。」といったリクエストがありましたら、ぜひご連絡ください。

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お子さんに,「ありがとう」と言っていますか? 

  子どもに「ありがとう」なんて言ったことがない。とりたてて言うようなこともない。と思った方もいるかもしれません。 
 では,旦那さんや奥さんに対しては,言ったことがありますか? 時々言っていますか? 
 普段,家の中では,「ありがとう」という言葉はあまり使われていないとしても,特に困ることはありませんからね。

 「ありがとう」は魔法の言葉とも言われています。
あなた自身が「ありがとう」と家族の誰かから言われたらどんな気持ちになりますか? 
もし,それが自分の子どもからだったら? 
何かくすぐったい感じがするかもしれませんが,いやな気持ちではないですよね。

 「うちでは,ありがとうの代わりに,できるだけほめるようにしています。」という方もいるかもしれません。
 誰でも「ほめられる」ことは嬉しいことです。いくつになっても,毎日,誰かにほめられていたいですよね。

 ただ,何かでほめられると,次は,それと同じことをしてもあまりほめられなくなっていくということもあります。
 最初にほめられたときより,もっと頑張らないと,同じようにはほめてもらえなくなり,段々それが当たり前になってしまって,あえてほめるようなことではなくなってしまったりとか。
 
 それと,「ほめる」は,その子の良い点を評価してあげることです。そうすると,子どもは自分の良いところだけを見せていたいと思うかもしれません。
 自分のダメなところはできるだけ見られないようにしてしまうかもしれません。
 ダメなところもある自分を丸々全部受け入れてはもらえないと思ってしまうかもしれません。
  完璧な人間なんていないのですから,ましてや子どもには良いところもダメなところも両方あるのが普通なのに,その本来の本当の自分でいることができなくなってしまうのです。
 
 なので,できれば,「ほめる」ことより,感謝の言葉をなげかけるほうがよいのです。

とりわけ,子どもに対しては。


 子どもは,なぜ「ありがとう」と言われたいのでしょうか?
 自分のことを認めてもらいたいからです。自分は存在していてい良い,価値ある・意味ある存在なのだと思えるために。
 このお母さんの子どもでいて良いのだ」と思えるために。
  そして,何よりもお母さんに,「ありがとう」と言える『素敵なママ』になってほしいからです。
 

 どんなときに,「ありがとう」って言えばよいのでしょうか? 
 それは,いつでも,どんなときにも,それを言うチャンスはいっぱいあります。
  朝,ちゃんと起きれたら,「ありがとう!」(だって,起きてこなかったら大変ですよね。) 
  ご飯を食べてくれたら,「ありがとう!」(食べずに元気がなくなったら困りますよね) 
  学校に行ってくれたら「ありがとう!」 
  学校からちゃんと帰ってきてくれたら「ありがとう」 
  病気にならずに今日も元気でいてくれたらそれだけで「ありがとう」


  マイナスがなければ,それだけでありがたい(余計な心配・手助けをしないで済むのですから)ということです!
 「いつも・・・してくれてありがとう」 
 「(いつもと違って今日は)・・・をしてくれてありがとう」

 気がつけば,目の前のいろいろなことの中に,「ありがとう」と言える材料があることが分かるでしょう。


子育てのヒント  


 

  「がんばる」ことと「がんばりすぎること」 


 子どもは,「頑張りたい」と基本的に思っているものです。
 それは,前より成長した自分を感じたいからです。
頑張って,前にはできなかったことができるようになった自分を感じて,自分で自分をほめてあげることで,自分のことが好きになり,「自信」を身につけていくのです。 

誰かにほめられたくて頑張るのではありません。
もちろん,誰かにほめてもらえば嬉しいですが,ほめられるために頑張っていると,自分自身に対する「自信」を身につけることが難しくなります。
大切なのは,誰かにほめられるかどうかに関係なく,自分でそうしたいから,自分が成長したいから頑張るという姿勢なのです。 


子どもの成長を願う親は,ついつい「頑張れ!もっと頑張れ」と言いがちです。
子どものほうも,親の期待に応えたくて一生懸命頑張ろうとします。ところが,何気ない「頑張れ」の言葉や期待が,子どもにとってはプレッシャーになってしまう場合もあるものです。
それがこじれると,心の問題として様々な身体症状や対人トラブルの原因になっていくこともあります。

「頑張りすぎ」は心のエネルギーを消耗しかねないからです。 



そして,時代(風の時代)は、これまでのように、「頑張ることが大切!頑張らなければ幸せになれない!」という考え方は必ずしも必要としなくなっています。 
 
お父さんお母さんから見て,子どもが「頑張りすぎている」ように思えた場合は,「頑張りすぎないようにやろうね」と声をかけてあげましょう。
ちなみに,「そんなに頑張らなくてもいいんだよ」という言い方は,「頑張りたい」とか「頑張る方がお父さん・お母さんに喜んでもらえる」と思っている子どもにとっては,あまり意味がありません。 

 



『お母さん 喜んでくれるかな』

 「お母さん 喜んでくれるかな」は、ある子がぽつんと言った言葉です。「○○したら お母さん 喜んでくれるかな」という言い方だったような気がします。子どもは、こんなにもお母さんを喜ばせたいと思っているのだなと改めて痛感させられたものです。
 子どもは、どの子もお母さんのことが大好きです。怒ってばかりのお母さんでも、家事が苦手なお母さんでも、自分のことをあまり構ってくれないお母さんでも大好きです。お父さんに対しては、父親の方がよほど努力して良い関係を築いていないと大好きとまではいきません。関わり方が下手だからと嫌いと思われている場合もあります。それに引き換え、お母さんを嫌いという子どもはいないものです。
この違いは、どこから来るのでしょう。生まれてくるまで、お母さんのおなかの中で共同生活をしていたからなのか、生まれて初めて見た人がお母さんだったからなのか、お母さんにおっぱいをもらわないと生きていけないからなのか、理由はよくわかりませんが、子どもはお母さんが大好きです。子どもはお母さんを幸せにしたくて生まれてくるという話を聞いたこともあります。
 
人には、もともと『人を喜ばせたい』という側面があると言われています。自分が利益を得ることがうれしいだけでなく、自分のしたことで他者(とりわけ身近な人)が喜んでくれるのも、またうれしいのです。親がおいしいものを子どもに食べさせたり、好きなおもちゃを買い与えたりするのは子どもの喜ぶ顔が見たいからです。子どもが、自分の世話をしてくれる、自分を喜ばせてくれる親を自分も喜ばせたいと思うのは当然かもしれません。
こうして、『大好きなお母さんを喜ばせたい』と、子どもたちは、日々頑張っているのです。自分の大好きな人に喜んでもらいたい、自分のことも大好きになってもらいたい。この気持ちは、どんな子どもの中にもあるものです。それなのに世の中のお母さんは、この子どもの気持ちにどれだけ向き合えているでしょうか。
 
そして、子どもは、お母さんだけではなく、自分のまわりのたくさんの大人に喜んでほしいと思っています。うまくできるようになったことはもちろんですが、できて当たり前に思えるようなことも、うまくいかなくてもがんばっていることも喜んでほしいのです。
「お母さん喜んでくれるかな。」という言葉の中には、そんな子どもの熱い思いが込められているように思えます。子どもの周りの大人が、子どものこの思いを受け取り、子どもの成長を喜び、見守ることができれば子どもは前へ進むことができるのでしょう。そのために、どんな言葉をかければいいのか、どう喜んであげればいいのかを考えてみると良いかもしれませんね。
 


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 最近,お子さんにイライラしてしまったことはありませんか?

「子どもにイライラしてしまう」という親御さんは結構たくさんいます。
イライラは親御さんが普段頑張り過ぎている証拠なんです。
何かイライラしている自分,子どものことでついイライラしがちな自分に気づいたら,いったん頑張るのをやめてみると良いようです。 


  子育ては,子どもが「幸せになる」ようにすることではなく,どんなときでも「幸せでいられる」人にすることだと言われます。
 子どもに教えるべきことは,間違わないようにすることや,間違わないようにするための方法ではなく,間違ったときにどうすれば良いか,その適切な対処方法であるということです。
何よりも自分が間違ったことに自分で気づけることと,その後の適切な対処方法(失敗や間違いを繰り返さずに済む方法)を学んでいくことが大切になるでしょう。
一方的に叱ったり説教しても,子どもがそういう気持ちになれなければ,これから「幸せでいられる」方法を身につけることはできません。 
 
 
  世の中には,知らないうちに子どもを「傷つけ」てしまっている親が時々います。
そういう親に育てられて,たくさんの「傷つき」を体験してきた子どもは,安全基地をどこにも見つけだせず,自己満足的な一時的な逃げ場を持ち続けようとします。特に学校生活においては,他者との関係において,自分がそれ以上傷つかないようにしようとして,あるいは傷ついている自分を見透かされて馬鹿にされたくないとの思いから,先手を打って逆に相手を傷つける言動に向かってしまうこともあります。
もちろん,自分では,自分がそんなに傷ついていることも,自分が相手を傷つけるようなことをしていることも,ほとんど気がついていません。そうせざるを得ない心の奥の声にただ従っているだけなので,注意されてもなぜ自分が注意されるのかが理解できず,自分の行動を振り返って(内省して)反省することができないばかりでなく,注意されたことが再び傷つけられたという体験となって,更に周りに対してガードを固めて身構えていくことになる場合もあります。 


 「子育てに正解はない」とはよく言われることですが,「正解はないが,不正解はある」のです。
福祉や教育の世界で言う「ミス・トリートメント」(間違った接し方,扱い)というのがあります。
 例えば,暴力,暴言,子どもを萎縮させること,誰かと比較するなどして傷つけることなどです。
万が一そういうことがあったとすれば,それは親自身の心の風船がパンパンになりすぎているせいかもしれませんね。 

 

親の不安やイライラは子どもに伝わる
そして、親の不安やイ ライラが「子どもの自己肯定感」を低くする


 たとえば、よくあるのは、努力して良い点を取っても、「なんで100点取れないの?」と叱られ、100点を取れない自分はダメなんだ、努力は報われないんだなどの思い込みをつくります。 
条件づけでしか愛されない経験を通して、「いつでも頑張って良い結果を出さないとダメなんだ」「ありのままの自分ではダメなんだ」と思い込んでしまい、頑張って結果を出さなければ親に認めてもらえないと思う子どもになっていくのです。

子どもへの不安は自分事という視点で考えないと解決できない問題です。 
子どもが幸せになってほしいのですから、そのためにどのように考え行動していくのか。子どもがやる気を出すには何をしたらいいのかなど、立ち止まって考える必要があるのです。 今までと同じやり方をしても同じ結果が続くだけです。
自分が変えられることはないのか、将来の子どもの笑顔のために何ができるのか、じっくりと考えてみましょう。

そのときに大切になるのは、これです。
・子どもを認めて受容することの大切さに気づいて、子どもとの信頼関係を築くこと。
・まずは自分を認めてあげることの大切さを再確認すること。
 
『自己肯定感が低くてなにが悪いの?』って思いますか?
ありのままの自分を認めて軽やかに生きることこそが大切なのです。
人と比べてどうとか、人にどう思われるかが大事なんじゃない。自分が満足できる自分でいられれば、それでいいやって。
スパッと気持ちを切り替えて、今の自分がやれることをやることです。
 

ある人の言葉です。
「自分を否定してしまう感情は、悪いものじゃないよ。ただ、いつまでも人と自分を比べていたら、自分を否定する気持ちが他人へのねたみや憎しみに変わっていくこともあるじゃない? その時間がもったいないし、なによりそんな毎日楽しくない。私は、人生の最後に『楽しかった!』って言える人生を送りたいの。そのためにも、スパッと気持ちをきり替えて、これからも自分にできることをやっていこうと思ってる。大切なのは、どんな自分でいたいのか、自分にとって大切なものはなにかを見きわめること。」


『褒める』より『認める』ことが大切

 子どもは褒められることが好きですが、子どもの健全な成長に最も必要なのは自分のことを「認めてもらえた」という体験です。
 「自己肯定感」という言葉をお聞きになったことがあると思います。自己肯定感とは、「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。他者と比較することなく、自分自身が「今の自分」を認め尊重することで生まれる感覚であり、物事を前に進めるための原動力となります。

自己肯定感が高い子どもの特徴は、
①主体性がある、
②自分に自信があり、行動や思考が前向き、
③失敗を恐れない、などです。

逆に、自己肯定感が低い子どもは、
①何かと他者と比較しがちで、自己嫌悪に陥ってしまったり、嫉妬や劣等感で苦しみやすい、
②自分で「自分のこと」を認められないために、他者に認めてもらうことで自分の価値を確かめようとしがち、
③過去の失敗経験や自尊心を傷つけられた経験が原因になっている場合も少なくない、など


「自分を信じること」の第一歩は、「自分を認めること」「ありのままの自分を受け入れること」です。そのためには、何よりも家庭で「自分のことを認められる体験」や「ありのままの自分を受け入れてもらえているという安心感」を持たせていくことが大切なのです。


参考までに、「褒め方」と「叱り方」のコツを再確認しておきます。
褒めるときは、
①    褒めるときは後回しにせずその場ですぐ褒める 
②    顔を見て、名前を呼んで褒める
③ 具体的にほめる(増えてほしい望ましい行動を言葉で言う) 
叱るときは、
①    今のことだけを言う(「この前も・・・」「いつも・・・」などとは言わない)
②    話を広げない(叱らなくてもいいことまで言わない)
③ そのことで子どもを否定しない(「ダメな子」「悪い子」などと言わない)
 

褒められること自体が目的になって、褒めてもらうために頑張るとなってしまうと、期待どおり(褒め量やタイミングも)に褒めてもらえないと感じると頑張ることをしなくなりかねません。また、叱られても自己肯定感を下げずに済むのは、自分が「認められている」という安心感が基盤にあればこそです。

良いところも少しダメなところも全部ひっくるめて、「そのままの自分でいいのだ」と思えることがとても大切なのです。「そのままのあなたが好きだよ」と、その子のありのままを受け入れて認めてあげることで、子どもは自分のことが大好きになっていくのです。

ぜひ、「あなたのことが大好きだよ」とか「あなたが生まれてきてくれて本当に嬉しいよ」など、一日一回は肯定的な声掛けをしてあげましょう。


 心のエネルギーの充電


 家庭 = 充電(エネルギーチャージ)の場です。
 家庭で充電してこそ,学校・社会で安心して過ごせるというものです。
学校・社会では否応なしに電力を消耗すしますから、家庭の外で適切かつ安心して使えるだけの電力をいつも蓄えておく必要があります。

 家庭で充電されないまま学校に行くと,どうなるでしょうか? 想像してみてください。

ましてや,家庭で放電してしまっている場合は,どこで充電すればよいのでしょうか?

 気がかりなのは、親の方が子どもに充電してもらおうとしている場合がある!ということです。親自身のさまざまな不安をまぎらわすために子どもを利用してしまうのは、子どもにとってはとても苦しいことです。「お母さんのためなら」とか「お母さんがそれで喜んでくれるなら自分は我慢する」と思っている子どももいますが、それが日常化・長期化してしまうと、子どもの方は自力では回復できないくらい新進的に疲弊してしまうので、親の方が早く気づいて改善していってほしいものです。

 
何かいつもなら自分からいろいろ話してきたり、質問にもちゃんと答えるのに、今日は(最近は)ちょっと違うなあと思ったときは、無理に聞き出そうとはせず、何か言葉でうまく自分の気持ちを伝えられずにいるそのときの子どものモヤモヤした気分を、黙ってそっと感じ取ってあげましょう。「ふーん、そっかあ。いろいろ大変だけど頑張ってるんだね!」と一言添えながら、ギュッと抱きしめてあげるだけで良いのです。

 
詩集「おかあさん」(2013年発行)の中に,大阪の小学校1年生のこんな作品がありました。題は「おかあさんはじゅうでんき」
おかあさんはわたしのじゅうでんき
わたしのでんちがなくなると
おかあさんがむぎゅっとしてくれる
するとこころがつながって
ぽかぽかちからがわいてくる
ときどきおかあさんのでんちがきれると
こんどはわたしがじゅうでんき
おかあさんにむぎゅってしてあげる
おかあさんは「じゅうでんかんりょう」とうごきだす
おかあさんいつもげんきをありがとう

 
「私は1学期の終わり,母に「学校に行きたくない」と言いました。母は何も聞かず,ただ抱きしめてくれました。私は抱きしめられ,ぬくもりを感じ,安心して涙がこぼれました。母は「学校に行きたくないのなら,行かなくていい」「今はゆっくり休んだ方がいい」と言ってくれました。母の言葉で,私はとても楽になりました。頑張り過ぎてもいつか限界はくる,だから,息抜きも必要なんだ,と言われたような気がしました。(コロナ禍で短縮授業や分散登校があり,学校に行く時間が減って心が楽になった,という人がいます。私にもその思いはよく分かります。)私は気持ちを切り替えて学校に行っています。学校が全てではないけれど,頑張ることも大事だと思うからです。きつくなったら,また母に相談して,頑張りすぎない程度にゆっくりとやっていこうと思います。」
(こちらは、新聞の読者投稿欄に載っていた14歳中学生によるものです。)


子どもにとっての「満たされ感」

 

 それは、何よりも、「愛されている」,「必要とされている」,「自分はいてもよい存在だと思える」ことです。
それを,必要なとき(求めたとき)には確実に確認できるという安心感が必要なのです。
大切なのは「構ってあげる」ことです。つまり、子どもが求めているのは,構ってもらうことなんです。

 では、「構う」とは何をすることでしょうか? どうすれば,構ってもらえた,と思えるのでしょうか?

 その一つは、子どもの話を「聞いている」か 「聞こうとしている」かということです。案外、子どもの話をきちんと聞いてあげられていない場合が多いものです。子どもが、家庭や学校で人の話をちゃんと聞かない、聞いていないということがもしあるとすれば、それは親がきちんと子どもの話を聞いてあげていないか証拠です。

 一方、声をかけてみても、子どものほうが話したがらずにいるという場合は、心配かけたくないとか自分の気持ちが整理できずにいて、今は少し一人にしておいてほしい、構ってほしくないと思っていることもあります。そんなときは、黙って見守ってあげることが大切ですが、ただ放っておくのではなく、時々ちょっと声をかけてあげることが大切です。返事がなくても、無理に詮索したり深入りしようとせずに、もうしばらく様子を見てあげましょう。子どものほうは、きちんと話ができなくても、心配してもらえている,独りぼっちではないとの実感を持てるはずなので、それが本人の支えとなり、また元気を取り戻していく原動力になるのです。

人は、誰でも、満たされていない自分を感じると,ストレスになるものです。何が満たされていないのか、何を求めているのか、それさえもよく分からずにいる場合も少なくないものです。大人だってそうなのですから、子どもはそんなときがあっても不思議ではありません。
 

人は、
満たされないと,不満ではなく,不安を感じるのです。それは、「自分は愛されるに値しない人間なのでは」との不安だったり,「自分が自分でいられない」不安,「自分に自信が持てず先が見えない」不安だったりします。このとき、「そんなことないよ」とか「そんなこと心配しなくていいよ」と言ってあげてもあまり効果はありません。「そんなことを考えたり心配になっている自分はダメな子だ」なんて逆に自分に自信をなくしてしまう可能性さえあります。
こんなとき、最も大事なこと、子どもの不安を適切に解消させていく
基盤となるのは,実は親自身の「満たされ感」なのです。
子どもが不安になっているときこそ、親自身がいま一度自分を見つめ直す絶好の機会なのです。